ルドルフ

現在、帝劇で上演中のミュージカル「ルドルフ」を見てきました。


しかし、世界初演っていうコピーはいったい何なんだろう？
確かに外国人が作ったミュージカルが日本で最初にやるというのは珍しいとは思うけど。


全体的な感想ですが、面白かったです。期待以上でした。
久しぶりにスタンディングオベーションしましたが、それに値する作品だと思います。
但し、エリザベートと雰囲気は似ています。
舞台設定が同じなので当たり前といえば当たり前なのですが、
他にも、狂言回しの存在や娼婦のシーンなどよく似ています。


物語は、一言で言えば、悲恋物語で結末は見えている話なのですが、
それでも結構面白かったです。
エリザベートでは詳しく描かれなかったルドルフのサイドストーリーという感じ。
僕のイメージでは、ルドルフは、理想主義のお坊ちゃんというイメージが強く、
本作でも、そのイメージが拭い切れてはいないので、共感しきれない感じなのですが。
あと、全体的に笑いはなかった。


総じてキャストは非常に頑張っていたように思います。
但し、全体的に、もう少し見せ場をあげてあげて欲しい感じではあったけど。
（主役２人を除く）


井上ルドルフは出番も歌も非常に多く、しかも、主役にふさわしい熱演でした。
ただ、やはり華に欠ける気はするし、歌もそこまでではないような気がします。
笹本マリーは、非常に可愛らしい感じでよかったです。正直見直しました。
歌も手堅いです。途中でルドルフに説教するシーンがあるけど、そこだけ浮いていたような。
知念ステファニーは、嫌な女を演じきっており、好演かと。ソロも頑張っていたように思います。
香寿さんもよかったです。軽やかな面と落ち着いた面の双方をうまく演じており、歌もうまかった。
岡ターフェは、どちらかと言えば悪役なんだけど、端正な感じでとにかく格好良かった。
壌フランツは、初めて見る人だったけど、見事な演技力で、物語上非常に重要な役割をうまく演じていたと思います。
涌井ファイファーは狂言回しなのですが、ルキーニほどいい役ではないと思いました。
でも、顔を白く塗って頑張っていました。
最初は、しっくり来ない感じだったけど、終盤の方ではそれなりになじんできた感じ。
新納エドワードは、出番が少ない割りには、印象に残った。軽薄な役だったけど、歌も上手かったし。
岸ウィルヘルムは、歌もないし、ちょっと気の毒な役でした。
三谷さんも、地味な役ではあったけど、それなりに存在感もあったし、よかったと思います。


音楽については、終わった後に口ずさめるような曲はなかったけど、それなりに聴き応えのある曲は多かった印象。
後から知ったけど、「ジキル＆ハイド」の作曲家らしい。なるほど。
もう１回見たら、また印象は変わるかも。


宮本亜門演出ということですが、彼のスペシャルさがどこにあるかは正直よく分からなかった。
演技指導的な部分なんですかね。
舞台装置は結構面白かったように思うけど、これも演出家の仕事なのでしょうか。