002砂漠

砂漠

砂漠

続いては,こちら。伊坂幸太郎の新刊。
「死神の精度」「魔王」をすっ飛ばして読みました。
久しぶりの新刊単行本購入。


なぜか伊坂幸太郎の単行本はわりとよく買っていてこれで3冊目。


今回のは,かなり傑作。これまでのベストかもしれない。
話は,大学を舞台にした青春小説とでも言おうか。
ミステリ的要素はほとんどゼロだと思う。
まあ,何がいいってうまく言えないけど,
相変わらずの洒脱の調子と魅力的な登場人物。
そして,今回は,青春小説的要素が強くて,それが良かったんだと思う。


本作には,麻雀とボーリングが出てくるんだけど,
ちょうどこの年始にどちらもやっていたので,そこも楽しく読めた。


それにしても伊坂幸太郎の作品の主人公っていつもクールな感じだよね。
本作も主人公の内面は,あまり描写されなくて,そこが惜しい気がする。
あと,本作の最後の方で「あれ?」って思うことがあって,
いわゆる「仕掛け」があるんだけど,どういう意味があるかよく分からなかった。


まあ,とにかく傑作ですよ。伊坂初心者にもお勧め。


追記
「秋」の章の超能力の下りは,「職業欄はエスパー」(森達也)を思い出させる。