ダイスをころがせ!

ダイスをころがせ!〈上〉 (新潮文庫)

ダイスをころがせ!〈上〉 (新潮文庫)

久しぶりにブックレビューです。
こっち来てから,本当に本を読まなくなってしまっているからなあ。


さて,真保裕一の「ダイスをころがせ!」です。
真保裕一は,「ホワイトアウト」と「繋がれた明日」くらいしか読んでないはず。
この小説は,国民がもっと政治に関心を持たなくては,という
理想を掲げる若い候補者を主役とした選挙小説。
選挙制度についてのディテールの描写は細かい。


とはいえ,この小説は単なる選挙小説として語るべきではないだろう。
この小説の魅力は,34歳という微妙な年齢の主人公達の姿だろう。
キーワードは,「敗者復活戦」。
大人になりきれない微妙な年齢をうまく描いていると思う。
選挙小説としてのベタな感動とともに,
なぜ主人公達が選挙にコミットしていくのかという部分が興味深かった。