ダンス・オブ・ヴァンパイア

見てきました。
ウィーン・ミュージカル好きとしては見逃せない作品と言うことで
楽しみに見に行ったのだが、期待したほどの満足はなかった。
全くの初見であったこと(私は初見が苦手)、
A席で舞台が結構遠かったことを割り引いても、そこそこの作品だと感じた。
少なくともほぼ全員がスタンディングオベーションするような作品じゃなかろう。


まず、音楽は、エリザベートモーツァルト!とは、作曲家が変わっており、
この2作品と比べると一段落ちる。
軽妙の楽曲は、なかなかいいのだが、
朗々と歌い上げる系の楽曲に素晴らしい曲がなかった気がする。
悪いとまでは言わないけれど無難。


そして、ストーリーは今ひとつ魅力がない気がする。
主役クロロック伯爵は感情移入できるような感じでもないし、
やたら出番が多いアルフレッド&サラの話も別にどうってことないし。
まあ、この作品でストーリーについてどうこう言うのは野暮なのかな。


そして、「客席との一体感」とかいううたい文句。
確かに客席を役者が動き回る演出は、結構好きなのだが、
それをもって客席との一体感というのは言い過ぎであろう。
最後の曲は、急にロックコンサート風になって、これが、
客席との一体感ということなのだろうかとも思うが、
この曲は正直微妙だった。
別に曲自体に不満はないし、みんなで歌い踊るというのも本来なら俺の好みのはず。
しかし、この作品は、全体としては非常にスタンダードな雰囲気なのに、
なぜ、ここだけロック?という思いがぬぐいきれず最後まで心から楽しめなかった。
全体的にあの楽曲の雰囲気でやってくれたらよかったのかもしれないけど。


ということで辛口になってしまいましたが、そんな感じでした。
役者陣は、それなりに豪華だったと思うし、よかったと思う。
山口祐一郎の歌は、やはりスペシャルだとは思うが、
出番もそこまで多くなく、前述のように、いい歌を歌わせてもらえていなかったのが残念だった。
個人的にいいと思ったのは、舞踏会直前の歌。ソロじゃないけど。
他のキャストについては特になし。よかったのではじゃないでしょうか。


もう一度見たい気もするけど、たぶん見ないような気がする。